英検やTOEICなど様々な英語の試験がありますが、PTEは聞いたことありますか?オーストラリアで看護師になる時に必要な英語力の証明をするために利用できる英語の試験の1つがPTE。
日本ではまだPTEの受験者が少ないため、情報を見つけるのも難しいです。私自身もオーストラリアで看護師になるために、各英語の試験について情報収集をしている時に一番情報を得るのが難しかったのがPTEでした。この記事では私自身の経験を踏まえながらPTEについて紹介します。
PTEの概要
PTEとはPearson test of Englishの略で、様々な国でビザ申請や大学入学のために必要な英語力の証明に使われる英語の試験です。PTEの中にもいくつかの種類がありますが、看護師登録や大学入学の際に利用されるのはPTE Academicです。
PTEの最大の特徴はコンピュータ式ということです。今でこそIELTSやOETも紙ベースだけでなくコンピュータでの受験を選択出来ますが、PTEは紙ベースはなくコンピュータでのみ受験します。
IELTSなどと同様、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を評価されます。
なぜPTEを受験したのか
なぜ私がPTEを選んだかは様々な理由がありますが、何度も英語の試験を受験をしてもなかなか規定スコアに満たなかった経験から切り替えたのが大きな要因です。
当時の思いを綴ったアメブロの記事の一部を紹介します。
実はすべてのカテゴリーでBを取ったことがあります。ですがうまいことコンバイン出来ない。結果がABCででしか出てこないので何がだめか、どう勉強したらいいのかわからなくなってくる。そして最大のネックは費用。もはやIELTSとか安く見える。金銭感覚崩壊。さらに日本では大阪でしか受けられない。
そもそもオーストラリアで看護師登録するために英語の試験が必須。IELTS、TOEFL、OET、PTEが有効。私の場合IELTSはもう嫌。そもそも難易度高いと思われる。TOEFLよくわかんないからパス。医療従事者用だしオーストラリアで作られた試験だし周りも皆これだし。ということで選んだOET。しかしふられ続けて嫌になった。
地方の方の気持ちがよくわかりました。ということで日本に帰るのを期にPTEに変える決意しました。
私の過去のアメブロより(https://ameblo.jp/gotothenextstage4649/entry-12376624456.html?frm=theme)
オーストラリアの看護師登録に必要なスコア
オーストラリアで看護師登録するには英語の試験で既定以上のスコアを取らなければなりません。看護師免許登録機関であるAHPRAはPTEではオールオーバー&各カテゴリーで65以上と明記しています(2024年3月現在)。このスコアは今後変更される可能性がありますので、必ず公式サイトで適宜確認してください。
PTEのメリット
それぞれの英語の試験でメリット・デメリットがありますが、私個人が感じたPTEのメリットは主に以下の6点です。
- OETより試験代が安い
- 結果が早く出る
- 各カテゴリーのスコアが他のカテゴリーにも反映される
- スコア表がもっと細かい
- 対策がたてやすい
- 東京と大阪の2会場がある(2024年3月現在OETは東京でも受験が可能ですが、コンピュータ式のみでペーパーで受けたい人は大阪のみ。)
特にOETより試験代が安く、結果が早く出るというのは大きなポイントでした。身近でPTEを選んだ受験者の多くもこの2点を理由に挙げる人が多いように感じました。
そして各カテゴリーのスコアが他のカテゴリーにも反映されるのがPTEの大きな強みなんです。
試験当日の流れ
PTEの会場
世界各国に試験会場があり、国や地域によって会場の数は違います。やはり受験者が多い場所であればあるほど会場は増える傾向にあります。
日本の受験会場は2カ所です。以前は東京のみでしたが、現在は大阪会場もあります。
東京会場
【新宿】〒160-0023 東京都新宿区西新宿8丁目1−2 PMO 西新宿 8階
大阪会場
【梅田】〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目8-17 12階
試験当日の流れ
ここから試験当日の流れをざっくりと紹介します。OETやIELTSと違う点に注目していただけたらと思います。
- パスポートを使って本人確認をする
- 写真撮影と手の静脈のスキャン
- 電子サインをする
- 荷物をロッカーに預ける(試験場に持ち込めるのはパスポート、マスク、目薬のみ)
- 試験会場の準備が出来るまで待機
- 準備が整ったら入室出来ます。入室する時にペンとノート(紙ではなくプラスチックのもの)を受け取ります。また必要があればティッシュと耳栓がもらえます(いらないかもと思っても念のためにもらっておくことを勧めます!!)。
- 試験官に席に案内されます。全受験者が席に着くまで待ちます。
- 全員が着席したら、試験官が各コンピュータにアクセスして試験を開始します。
- 試験終了後、試験官に試験が終わったことを合図をします。使用したペンとノートはそのまま座席に残して退室します。ロッカーから自分の荷物を取り、帰宅します。
試験中の流れ
試験のカテゴリーの順番はSpeaking→Reading→Writing→Listeningの流れで受験していきます。
Speaking、Reading、Writingが1セットになっていて、休憩中はWritingとListeiningの間でとれます。実際はSpeakingとListening以外の時間帯にもトイレに行くことは可能ですが、休憩時間外に席を立つ=自分の受験時間を使うことになり試験にとっては不利になります。そのため休憩時間以外に席を立つのは避けましょう。
勉強方法
公式テキスト
問題は4回分です。テスト問題だけでなくインストラクションも含まれているのが良いところ。実際の試験ではどんな風にコンピュータに表示されるのかも写真付きで説明あるので、まだ試験を受けたことがない人もイメージがつきやすいのもオススメする点です。
そして一番参考になるのは受験者の実際のスピーキングの音声です。サンプルで聞けるのでこういう話し方だと低いスコアになると実感できます。何秒くらいで話しているか、どんなスピードか、そして内容など参考になります。
日本の書店ではきっと置いてないのでネットで注文しましょう。
Youtube
PTEを勉強する上でYoutubeは切り離せません。なぜならスピーキングやリスニング問題がたくさんアップされているからです。リーディングやライティングに関してもどんな問題が出るのか参考になります。「PTE」と検索するだけで、数えきれない数のチャンネルが出てくるので自分にあったものが必ず見つかると思います。
私がなかでもオススメするのが、E2PTEです。E2はPTEだけでなく、IELTSやOETなども教えている英語の教育団体です。そのため各カテゴリーの問題について解説するだけでなく、当日の心構えや試験の流れなどPTE全体についての解説が見られます。
オンライン講座
自力学習も出来ますが、やはり講師の元で勉強したほうが効率的にスコアを伸ばせます。受験者の中でも人気の高いのがこの2つ。
オンライン講座の1番の魅力は時間と場所にとらわれないことです。特に日本ではPTEを教えている学校はないのでは?と思うので、オンライン講座に頼るのは1つの対策です。
学校に行く
学校に行くメリットの1つは緊張感をもって集中して学べることです。そして仲間がいるので切磋琢磨出来たり、情報交換出来るのでモチベーションを維持しながら学習を続けていけます。また他の人の解答を通してミスを学んだり、逆に良いところを吸収も出来ます。
私もシドニーの学校に通いました。それまで自己学習とオンラインのみで勉強していましたが、スコアがあまり伸びず悩んでいたのです。一念発起して学校に行ってからスコアが一気に伸びました!
私が実際に行った学校はこちらです→Sydney PTE
おすすめブログ
Fumiさんのブログ
シドニーで正看護師として活躍するFumiさん。以前はPTEの講師として活躍されていたので、どのように勉強したか・対策の仕方などを記事にされています。受験者・講師としてのそれぞれの立場での記事があるのも勉強になります。
Kayさんのブログ
Kayさんは上で紹介したFumiさんのブログでも紹介されています。ご自身もPTE受験者でしたが高スコアを取りその後はPTE講師としてブログを開設し、多くの受験者を必要スコアへ導いています。日本語でここまでPTEの情報が得られるものはないので、受験者にとって必読ブログです。
Akiのブログ
私がPTEを受験していた時のブログです。先に紹介したブログとは違い圧倒的に情報量が少ないですが、それでも何かの参考になるかもしれません。記事数が少ない分、すぐ読めるのでちょっとした隙間時間に読んで頂けたら幸いです。
結局私はスコアメイクが出来たのか?
スコアメイク出来なかった理由
ここまでPTEについて紹介してきた私ですが、実はPTEでオーストラリアの看護師登録に必要なスコアは取得出来ませんでした。
理由はわかっています。スピーキングで点数が伸びなかったからです。
メリットの部分でお話しましたが、PTEは各カテゴリーのスコアが他のカテゴリーにも反映されます。特にスピーキングはリーディング、リスニングのスコアにも関わるので、「PTEはスピーキングが命」とも言われています。そのためスピーキングのスコアが低いというのは致命傷です。
「スピーキングのスコアが低いということは、もともとスピーキングが苦手なんだな」と思うかもしれません。ですが、私のスピーキング最高スコアはIELTSで7.5、OETはBです。
実はPTEは良くも悪くも他の英語の試験とは大きく異なります。違いの一つはスピーキングは対人ではなく、コンピュータ(ヘッドセット)を使って行うことです。つまりコンピュータに自分の声が認識されないと、そもそもスコアにならないのです。
なぜ声が認識されないのか?
対人ではなくヘッドセットを使うため、スピーキングでは様々な注意点があります。
- マイクの位置
- 破裂音を出さないようにする
- 声は低めに
ここで私が問題になったのは「声の高さ」です。一般的に「PTEのスピーキングは男性のほうが高スコアが出やすい」と言われています。男性の声は女性より低いですもんね。
学校でも「なるべく落ち着いて低い声で話すように」とアドバイスをもらいました。実際、低い声にすることでスコアが伸びたんです。そうはいっても限界があり、必要スコアには届くことはありませんでした。
「単にスピーキングが苦手なのでは?」と思ってますか?私のスピーキングの最高スコアはOETでB、IELTSで7.5です。特にOETは特に対策をせずBを毎回取っていたので、スピーキングが苦手というわけではありません。
PTEも選択肢に入れてみては?
私の経験をふまえてPTEを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?PTEはまだ知られていないことが多いですが、メリットがたくさんあります。私には合いませんでしたが、もしかしたらアナタにはぴったりの試験かもしれません。
様々な試験がありますが、問題なのは「いかに早く必要スコアを得て次のステップに行くか」です。もし1つの試験でつまづいていたら、違う試験にチャレンジするのも良いアイディアになるかもしれません。PTEについても知って、自分に合った試験を見つけられますように!
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