【海外看護師】私はこうしてオーストラリアで看護師になりました!

オーストラリアで看護師をしているAkiです。海外で看護師をしているなんて言うと、どうやって看護師資格を取ったのか聞かれることが多いです。この記事では、どのよう流れで看護師になったのかを紹介します。

数年前の情報ですので、今とは違う内容も含まれます。それでも私がこの記事を書いている理由は、何かの参考になったり、誰かの背中を押せればという思いからです。特に英語の試験では、何度も何度も心が折れました。この記事が勉強の箸休めになって、また一歩進む力の手助けになれば幸いです。

日本での経歴とオーストラリアで看護師になるまでの大まかな道のり

東京出身。高校卒業後、放射線技師を目指して専門学校に入学しました。実習を通して「これは私のやりたいことではない」と気づき、卒業したものの資格は取れませんでした。卒業後、精神病院で看護助手として勤務した後、2次救急病院のリハビリ科に転職。都立看護学校に入学したのをきっかけに、看護助手は週末と長期休暇の時のみ働くことになりました。2010年看護学校を卒業し、公立病院の呼吸器内科に就職しました。

   ワーホリ中の語学学校での1枚

2013年退職し、ワーホリのためオーストラリアへ行くことに。シドニーでケアラー(介護士)の資格をとり、派遣スタッフとして複数の施設で勤務しました。2014年帰国し、オーストラリアで看護師になる決意をし英語の勉強をしつつ、派遣看護師として様々な病院で仕事をして貯金をする毎日でした。2016年シドニーの語学学校のアカデミックコースに留学、2017年アデレードのフリンダース大学に留学し学士を取得に成功。英語の試験を突破出来ない辛い時期を乗り越えて、2021年看護師登録完了し、公立病院で勤務しています。

オーストラリアで看護師になる絶対条件

まず強調しておきたいのは私がオーストラリアに留学していたのは2017年のことです。情報が古いので、2023年現在とは違うこともあります。必ずご自身で「今」の情報を確認するようにしてください。

私の過程と今の過程は異なりますが、今も昔も変わらない条件があります。それは「学士」と「英語のスコア」です。オーストラリアで正看護師になるには「学士」が必要ですし、「英語力」の証明をしなければなりません。

海外で看護師資格を持つ人がオーストラリアで登録をするための情報は、登録機関であるAustralian Health Practitioner Regulation Agencyのサイトで確認してください。

私が学士をとった方法(2017年)

上記でも触れましたが2017年の話であり、現在このコースは大学にはありませんのでご注意ください。

また放送大学の学士で看護師登録は可能なのか?という議論は以前からされていますが、定かではありません。

1.語学留学(アカデミックコース)

大学に入学する時にも英語のスコアが必要になります。英語で講義を受けて実習をするわけですから、当然といったら当然ですよね。入学に必要なIELTSの必要スコアを出せるのか不安だったので、私はアカデミックコースに留学することにしました。

一般的に語学留学というのはジェネラルコースになります。ジェネラルコースでは会話や文法など「英語の勉強」をします。一方、アカデミックコースでは「英語で高等教育機関で勉強する方法」を学びます。少しわかりづらいかと思いますので、実際に学校で経験した課題を例に授業内容を紹介します。またアカデミックコースも英語のレベルでクラス分けをされ、クラスによって授業や課題内容が変わっていきます。私が留学したのは上のクラスで、留学期間は3か月でした。

(1)ミニ研究

この課題はグループワークもありました。各グループにそれぞれのテーマが割り当てられます。私たちのグループのテーマは「献血」でした。グループワークではテーマに関するアンケートを作り、学内にいる生徒にアンケートに答えてもらい結果をまとめました。ここからが個人ワークになり、結果から何が見えてくるか文献を参考にしながら考察を文章にしました。

(2)プレゼンテーション

自分の専攻する学部にあったテーマの一覧から選んで、20分のプレゼンテーション・10分の質疑応答の合計30分間クラスの前で話すという課題です。プレゼンテーションの中身はもちろんですが、パワーポイントの見せ方や話し方なども採点基準でした。私は「オーストラリアにおける高齢化社会、看護師不足とヘルスケアの質」というテーマを選びました。

(3)エッセイ

リストからテーマを選んで、1200~1400字のエッセイを書きました。私が選んだテーマは「ベジタリアンは地球を救うか」。賛成反対の両者の意見を考察して、自分の意見をまとめます。

この課題が終わるころにはベジタリアンかどうかなんて、どーでもいい!!と思うほど、ベジタリアンにまつわることを調べまくる日々でした。

(4)授業と試験

授業ではリスニング・リーディング・ライティングの技能を強化するレッスンです。その時の課題に沿った内容で進められました。スピーキングは上記で紹介したプレゼンテーションで採点されています。

中間試験と最終試験では上記の3技能の筆記試験があります。試験結果と課題のスコアによって、最終的にな成績が出て希望する進路先に進学できるか判定されます。

修了証のもらった最高の瞬間!

2.大学留学(海外看護師のための1年コース)

無事に語学学校のアカデミックコースを卒業して、フリンダース大学に入学しました。私が進学したコースは海外で看護師資格を持つ人のための1年間だけのコースでした。1年間だけなので、学費や生活費を抑えることが出来たのは非常に助かりました。でもその分勉強、特に課題が凝縮していたのは大変でした。

1) 大学での授業&実習

座学は主に2年生と3年生が受けるものが組み込まれていました(オーストラリアの大学は3年制)。受けなければいけない授業が決まっているので、自分に合うようにどの時間帯のクラスを受講するか決めます。

臨床実習に行く前に、学内実習もありました。実習では試験はなく、グループごとに実習室を移動しながら様々な技術が学べるようになっていました。自国では看護師ですが、自国とは違う器具などもあるので皆興味津々でしたし、このおかげで臨床実習が受けやすかったと思います。

学内実習での1コマ
2) 病院と施設での実習

当時、看護学部の3年間では計6回臨床実習がありました。各学年の前期後期で各1回ずつで、回を追うごとに期間が長くなっていきます。私の学んだ1年コースの実習は3年生の実習が組み込まれていたので、前期に6週間と後期に8週間の実習がありました。

どこにいくかは完全に大学の選択によります。私の場合、前期は州で一番大きい病院の内科病棟に、後期は少し田舎にある大きな介護施設に行きました。日本の実習と違い、オーストラリアでは学生でも血糖値を確認やインスリンの投与などが出来るので、より現場の看護師と近いことを実践できるのは勉強になるし刺激的でした。

1年コースは期間が短いため、課題と実習が同時進行の時もあり、心身ともにしんどく挫けそうになることが何度もありました。なんとか卒業出来た時は本当にホッとしたの一言に尽きます。

卒業式にて

語学留学と大学留学当時のことはアメブロで、たくさんシェアしています。興味のある方はこちらから記事を確認してくださいね!

英語の試験を突破する

英語の試験は4つの中から1つ選んで、規定のスコアを目指すことになります。どんな試験が認められているのか、必要なスコアについてはこちらで確認してください。

試験に落ち続けた私は、下で紹介する3つの試験をただひたすら受けまくりました。

どの試験にも癖があり、それぞれの試験の良さや反対にデメリットもあります。それぞれの試験の特徴を知り、自分にはどれがあっているのかを知ることが大事と言えます。「看護師になった時のことを考えてOETが良いか?」と聞かれることがありますが、「最短で看護師登録」することを考えるほうが重要です。どの試験でスコアメイクしたかなんて、看護師として働き始めたら何の意味も持ちませんから。

1.IELTS

IELTSは留学などで世界中に多くの受験者はいます。IELTSは一番英語の試験らしい試験だと思います。詳しい試験情報は公式サイトで確認してください。

2.OTE

OETは医療従事者向けの英語の試験です。あくまで医療従事者向けのテストというだけなので、医療従事者じゃなくても受験をすることが出来ます。公式サイトはこちら

3.PTE

PTEは日本ではあまりないコンピュータベースの試験です。試験日数の多さや試験結果が早く出ることから、近年注目を集めている試験だと思います。詳しくはここでチェックしてください。

看護師になることを諦める

どの試験もプレッシャーがかかりますが、この英語の試験を受け続けることは大きなプレッシャーでした。望むような結果が出るには時間がかかるし、試験代はなかなか高額です。

精神的にも経済的にも追い詰められ、精神的に不安定になることもありました。惨めな思いをしながらチャレンジをすることに意味を見出せなくなっていました。幸せになるつもりが、頑張ることで不幸になるように感じていたのです。

葛藤はありましたが、試験を受けることをやめ海外看護師になることを完全に諦めました。

一念発起して勉強を再開

長年追っていた夢を諦めた私は、介護士として本格的に仕事を始めました。充実感を感じていたものの、どこかで「最後の最後で失敗した自分」と自分自身を恥じていたと思います。

一方、友達がイギリスで看護師になるために勉強をしていました。彼女の姿を見てるうちに、忘れていた気持ちが蘇ってくるのを感じました。「また頑張りたい」と思った私は友人と励ましあいながら、試験勉強を再開しました。

友人も無事に必要スコアを得て、イギリスで看護師として活躍しています。イギリスの医療・看護事情をブログで紹介しているので、興味のある方はぜひチェックしてください!

スコアメイクと看護師登録

勉強を再開して8か月ほどで、IELTSで7.5(OA)、OETでオールBを達成しました。看護師登録の書類審査に3か月ほどかかりましたが、ついに2021年7月にオーストラリアで正看護師登録が完了しました。

オーストラリアで看護師になるには

ここまでお話したのは、あくまで私の経験談です。2017年から2021年までの話であり、現在とは違うことがたくさんあります。必ずご自身で現在のルールなどを調べてください。どこまで参考になるかはわかりませんが、凡人でも海外で看護師になれるということをお伝えしたくて記事にしました。

先に紹介したように私には、「何度も何度も英語の試験に失敗し続けた過去」があります。一度はあきらめたけれども、それでも今看護師として勤務しています。海外で看護師になるのは容易ではなく、たくさんの困難があります。この記事が少しでもアナタに勇気を与えられたなら幸いです。

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