「トラベルナース」って聞いたことありますか?修学旅行についていく看護師、と思ったアナタ…違います。でも旅好きの看護師にはぴったりの働き方かもしれません。
オーストラリアの田舎の病院でフルタイムで正看護師として働いていた私ですが、今後はトラベルナースになろうとしているところです。
この記事ではトラベルナースについて、トラベルナースのなり方について紹介していきます。
トラベルナースとは
トラベルナースとはエージェントナースとも呼ばれることがあり、大まかなグループとしては派遣看護師にあたります。
そのためトラベルナースは病院や施設に就職するのではなく、派遣会社に登録して毎回違う職場で働きます。「トラベル」は旅行の意味だけではなく、移動の意味もあるんですよ。つまり都市部ではなく、長距離移動をして田舎や僻地の病院へ派遣されるのがトラベルナースです。
雇用形態はフルタイムですが、派遣先がシフトを作るのでそれに従って仕事をします。
トラベルナースと派遣ナースの違い
やっぱり派遣看護師との違いがわかりづらい、と思う人はぜひこちらの表を参考にしてください。かなりざっくりとしていますが、大きな違いはこんな感じです。
トラベルナース | 派遣看護師 |
契約期間中はフルタイム | カジュアル(日本でいうバイトのような扱い) |
4~8週間の契約(それより短期・長期の時も) | シフトがもらえる時だけ仕事が出来る |
田舎や僻地の病院や施設 | 登録をした街の周辺の病院や施設 |
旅費・宿泊費は支給 | 交通費は自費 |
派遣看護師はその日の突然の病欠をカバーするのに対し、トラベルナースは年休など長期のシフトをカバーします。
トラベルナースになるメリットとデメリット
メリット
- 給料が高い
- 契約期間中はフルタイムで働くので派遣ナースより経済的に安定している
- 良くも悪くも契約期間だけ働けばいい
- ホリデーの予定が立てやすい
- 行ったことのない場所にタダで行くことが出来る(旅費や滞在費は支給されるため)
- 新しい人との出会いや経験を得られる
やはり一番はお給料が高いことが言えると思います。そしてトラベルナースと言う通り、自分が行ったことのない場所に行けるのは大きな魅力です。
デメリット
- 病欠や年休はない
- 契約を取れる保証はない
- 契約と契約の間にギャップが生まれるので、貯金で生活する時が一定数ある
- 田舎や僻地で働くので都市での経験しかないと、生活や働き方の違いに馴染むのに時間がかかる
- 家族やペットなどと離れて暮らさないといけない
正社員ではないので病欠や年休はもらえません。逆に言えば、だから給料が高いのです。また派遣会社に登録完了=契約が必ずもらえるわけではないです。登録だけして実際働かなかった、という話はよくあります。
また契約が取れたとしてもそれが終わったら、また次を探さなければなりません。すぐに見つからないかもしれないし、見つかっても数週間~1か月空く可能性もあります。やはり正社員より経済的には安定はしていないです。
そして都市部の病院と田舎・僻地の病院はシステムが全然違うので、その違いにとまどい馴染めないということもあります。
トラベルナースになるには
まずは派遣会社に登録しなければなりません。派遣会社の探し方は主に以下の3つがあります。
ネット検索して派遣会社を探す
トラベルナースを抱えている派遣会社に登録することが第1歩になります。インターネットでの検索をするとたくさんの会社を見つけられるので、そこから気になったところに登録します。
就活サイトに登録する
またSEEKやINDEEDなど就活サイトに登録しておくと、そこから連絡が来ることもあります。定期的に情報を更新して持っている資格や経験を足していくと、自分のページがアクティブな状態になるので派遣会社から直接連絡が来やすいです。
知り合いの紹介
知人などですでにトラベルナースをしている人がいる人は、紹介してもらうのもとても良いです。その会社のシステムや契約を取る流れや、契約期間中のサポート体制など具体的に経験者から知ることが出来ますからね。そして派遣会社から紹介ボーナスがもらえることが多いんです。これは紹介者にも自分にも頂けるのでお互いwin・winですよね!
派遣登録の時に必要なこと
書類の提出
派遣会社とのやりとりは基本的にメールになります。メールに書類を添付して送ることもありますが、会社によっては専用のシステムがありそこにアップロードして提出することもあります。
必要書類は会社によって少し違うこともありますが、ほとんど同じような内容です。私が実際に登録した会社Aに求められた書類を一覧で紹介します。
派遣会社独自の書類 | ・申請書類(緊急連絡先など) ・電子サイン ・NDISとWWCC申請書類 |
ID(リストの中から4つ) | ・パスポート(カラー) ・出生証明書(カラー) ・運転免許証(カラー) ・メディケアカード ・銀行口座カード ・Academic transcript (大学での学位証明書) ・名前を変えた証明書 |
オーストラリアの無犯罪証明書 | 過去1年以内のもの |
ビザ | オーストラリア国民でない場合のみ |
予防接種履歴 | ・Hepatitis B ・Varicella ・Measles, Mumps and Rubella ・Diphtheria, Tetanus, Pertussis ・Annual Flu Vaccination ・COVID-19 Vaccination: 3 doses ・QuantiFERON TB-Gold In-Tube test ・Hepatitis A |
必須のトレーニング | ・Aseptic Non-Touch Technique ・Basic Life Support ・Clinical Transfusion Practice ・Fire and Evacuation ・Hand Hygiene ・Manual Patient Handling ・NPS MedicineWise – Medication Safety ・Occupational Violence Prevention ・Preventing Falls ・PPE Training ・Mask Fit Test x 2: within last 12 months (WAで働く場合) |
看護師免許証 | ・AHPRA Registration Certificate ・Certified Nursing Qualifications |
Nursing Increment | ・Two Payslips from the last 1-3 months ・Certified Statements of Service with dates of service and hours of work (per week/fortnight or total hours) |
日本では馴染みのないものもあるかもしれませんが、オーストラリアで看護師として働くときには必要なものばかりです。
必須トレーニングを受ける
会社や州によって義務となっているトレーニングは様々です。このトレーニングはオンラインのものや対面式のものもあります。すでに受講済のものは受講証を提出すればOKです。新しく受けなければならない場合、派遣会社で無料で受けさせてもらえることがほとんどです。
トラベルナースはどのように仕事を受けるのか
派遣会社に無事に登録出来たら、会社から定期的にリストが送られてきます。このリストには看護師が欲しいオーストラリア全土の病院や施設が載っています。契約期間はそれぞれの施設で違います。
気になるところがあったら担当者に連絡をします。担当者から自分の履歴書などを送ってもらい、返事を待ちます。応募者が多い場合、病院や施設がどの人に来てもらうか決めます。
仕事が決まったらトラベルチームが飛行機などを用意して連絡をくれるので、そこに合わせて派遣先に行きます。こうして仕事が始まっていくのです。
今後もトラベルナースとしての働き方について配信します
今回はトラベルナースについて紹介しました。この記事を投稿している今現在(2024年5月)、トラベルナースとして勤務を始めたばかりです。今後さらに具体的にトラベルナースについての働き方を紹介して頂けたらと考えています。
今後も楽しみにしてただけたら嬉しいです!
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